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スタートレック 終わりと始まり

スタートレックの最新シリーズの一つ「スタートレック ピカード」が 最終シーズンのシーズン3にて完結いたしました。
我が国ではスタートレック人口は少なく 「ピカード」も もはや絶滅危惧種的な熱心な古参ファン以外見ていないと思われ。
ですので今回の最終回も 身内だけでひっそり執り行われたセレモニー的な感じがしなくもなかったり・・でも作品は本当に最高だったです。


これがかかるんだわ😭。
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Main Title / Locutus
Star Trek: First Contact (Original Motion Picture Soundtrack)
Jerry Goldsmith
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なぜかspotifyにはない。のでこちらを・・


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前提として 現在我が国でのスタートレックシリーズの視聴環境が以下のようなありさまとなってしまうまな状況があります。

● 「ピカード」はアマゾンプライムで見られます。すばらしい。
● 「ディスカバリー」はネトフリで鳴り物入りでスタート 米国と時差なくスタトレが見られる時代の到来に感涙にむせび泣いた・・のも今は昔 今はネトフリから消滅しております。 その後シーズン4はGooglePlayから供給され全話買取の形でなんとか見られた。 さらに最近事態はやや改善し アマゾンプライムで全シーズンが解放されている(ただし有料)。 これから放送予定のファイナルシーズンはアマゾンで買って見ることになるんだろうか・・
● 一方アメリカでは「ストレンジニューワールド」というさらに新たなシリーズが始まっていて これからシーズン2に入るのですが こいつは日本では見る術がありません。 円盤買うしかない。もしくは裏技もあるにはあるらしいですが。
● そのほかにアニメシリーズが放送中のもの・放送予定のもの等あります。説明略。

我が国のトレッカーは 苦しい戦いには慣れている。
ドミニオン戦争の時代には 戦況がネットを通じて米国から漏れ伝わってくるだけの状況に耐え続け 実際に見聞できる様になるまで非常に長い期間待たされた。
あの頃に比べれば軽い軽い この程度の苦境苦戦では我々はびくともせんですわ。 われわれ兵卒の士気は高いであります。

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さて以上の様に 現在同時進行中のシリーズ乱立の中 「ピカード」は我が国でノンストレスで見ることができる希少なシリーズとなっております。
そして今回のシーズン3はダントツの出来栄えでありました。
奇跡のように TNGブリッジメンバーが全員 一人も欠ける事なく再結集 そして大団円を迎えた。
スタートレックはシーズン3からが本番という”スタトレあるある”が 今回も当てはまるのが面白い(今シーズンで終了なんだけどね)。
「あーこれこれ。これがスタートレックですよ。」というフィーリングを ついに感じることができたシーズンでした。
ボーグとドミニオンがからみ VGRとDS9のスパイスをばっちり効かせつつ このメンバーが全員集結することでTNGのグルーブが自然に発生し場を支配する感じ 安定感安心感。
こうしてS3はまさにスタトレ集大成的な夢のシーズンとなった。
そして エンタープライズD/E時代を築いたピカード艦長とそのブリッジクルーたちの物語は 今回を持って完結いたしました。
最後の場面は いつ面たちのいつも通りのあのシーンで締めて 胸がいっぱいであった。
終わった。 完結しました。

そして さらに重要な事が起こった。
「ピカードとそのクルーたちの物語はこれで完結しますが 物語は次の世代:エンタープライズGの物語へ受け継がれます。」
という宣言がなされたのである!
前にも書いた様な気がしますが スタートレックの本筋は ”エンタープライズ”の名を代々受け継ぐ惑星連邦の旗艦の活躍の歴史を描く物語。
そしてこれまでのところ NX01 NCC1701/改修艦/A NCC1701D/E と続く伝説以降 次の物語へ踏み出す踏ん切りが製作陣にはいまいち不足しており びびっており スピンオフやプリクエルばかりが量産されるという状況が散々続いておりました。
だからあの瞬間は ついにその時が来た事 時が熟したことが 初めて我々に報告された瞬間だったのです。

「今言いましたよね。 聞き間違いじゃないですよね。 やるって言いましたよねっ!」

映画もいいが スタートレックはやはり基本的には 毎週放送されるフォーマットのSFドラマなんであり
SFが毎週TVで見られるという この上もない幸せ この最高が スタートレックなんである。
わしらは新しいエンタープライズの物語を毎週TV・配信で見たいんである。 一刻も早くである。


歴代エンタープライズ(急いだ雑コラ失礼いたします・・)

左上から
NX01 無印 改修艦/A B
C D E

我が家の宇宙艦隊

バンダイからプラモが出、食玩もたくさん出ていた古き良き時代。
(ご想像の通りほんの一部です。食玩ケ沼の呪いである。)

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人には 世代ごと・個人ごとにそれぞれ 共に歩んだ体に染み付いたコンテンツといふものがある様に思う。
私にとってはその一つがスタトレであって それはたぶん本当にたまたまな事なのだろうなーと思う。
私がスタートレックを人生の友とするに至ったその因果は その年代の特有性と私個人の環境のたまたま 必然と偶然のかけ算 としか言いようがないものだと思う。
たまたまスタートレック最盛期がタイムリーな世代であった事。
TNGからVGRへと立て続けに つまり14年間ものあいだ 途切れることなくスタートレックがTV放送され続け さらにこの間DS9という最高のスピンオフが並行して放送されていたという黄金時代。
そして個人としては たまたまSF小説ばかり読んでいたSFバカであったこと(じじくさいですが昔はSFというのはほぼ小説しかなかったんす)。
さらに たまたまCS視聴環境が身近であったこと スーパーチャンネルがほとんどスタートレックチャンネルと化していたあの時代に それに接する環境にあった事 などの偶然。
人にはそれぞれ たとえば私にとってのスタートレック的な物 その人にとって大切なあるいは腐れ縁的なものがあるのでは。
それらはその世代世代における必然と偶然のかけ算の結果なのだと思う。
偶有性 世界はその様に出来ているんだもの。
だから 我が国のスタートレック人口がたまたま少ないからといって 寂しくなんかないんである。
「寂しいなんて非論理的ですね船長。・・船長泣いてます?」


こんな立派な最高の本たちがきちんと和訳出版されていた時代。


Natiogeo X Startrek:スタートレック オフィシャル宇宙ガイド
こちらは今も買いやすい様です。スタトレとしては内容若干薄いけど 天文科学系としてとても良いです。

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[ 余談 ]

ご存知かもですが ディスカバリーは1・2・3シーズン通して ミシェル・ヨー がジョージャウ艦長そしてミラーワールドから来た”ワルなジョージャウ”として活躍。
特にダークなジョージャウは最高のキャラクターで 知略に富んだ深みのある悪役であり しかもアクションもできる!
もっと活躍が見たかった。

また3・4シーズンでは デヴィッド・クローネンバーグ監督 がゲスト出演中。
最初は一言二言のカメオであると思っていたのですが なにをなにを ガッツリ32世紀の惑星連邦の重要なキャラクターを演じてくれています。
シーズン5にも出るのであろうか。

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[ 発掘品 ]

スタトレにはいまいち馴染みがないという方が たぶん大半であろう中
なにかちょっとでも物珍しい話題をいれられれば うーん と悩みつつ発掘作業に勤しむ中 こんなものが。

映画「さくや妖怪伝」

企画とノベライズ共著の 岸川靖氏 は日本のトレッカーにはお馴染み スタトレ関連の出版物のことごとくに関わっておられる編集者で
かつてスーパーチャンネルで年1で放送していたお祭り企画でもお馴染みで
この映画はたしか その毎年恒例企画「スタートレック24時間」内にて 「今度これやることになりました」的なご紹介をされていた様に記憶する。
ので もちろん劇場に見に行きましたとも。


ノベライズ:光益公映、岸川靖

いま振り返ってもこの顔ぶれは非常に興味深いのでは。

出演:
丹波哲郎 / 藤岡弘 / 松坂慶子 / 塚本晋也 / 嶋田久作 などなど
ラスボスが 巨大松坂慶子 である!!
語り: 竹中直人
特技監督: 樋口真嗣

この映画は2000年とやや古く いま検索してみたらどうなんだろう と思ったら
あーなるほど うん・・ 自己責任でおねがいいたします。

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[ 発掘記録 ]

スタートレックは ドラマシナリオ・小説版・あるいはアニメのほうだったりにて さまざまな有名作家がちょいちょい関わっていたりするのですが
先日亡くなってしまったSFの巨匠 グレッグ・ベア氏 も一冊書いていますよ。
さらに偶然にもタイトル「コロナ」ということで。


宇宙大作戦「コロナ」 グレッグ・ベア

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[ ・・からの余談 ]

グレッグ・ベア。



嘆かわしくも これらは今では手に取っていただくことが難しい状況であります。
なので それについてここでblogとして何か書くことに果たしてどれほどの意味があるのか という悲しみの自問自答をしつつ だがしかしちょっとだけ書きたいでござる。
ベアは難解なものが多いです。 ですがそれはストーリーが難解なのではない。
人間ドラマ自体は追いやすく分かりやすく(古風?)楽しい。
グレッグベアの難解さは ストーリーにではなく イメージ化のムズさにある気がする。
ひたすら風呂敷が広がってゆく世界観。 そして畳まない 畳めないww。
SFは風呂敷ひろっげっぱなしで大いに結構 それが許される・そこが醍醐味でさえあるのがSFである事を ベアは教えてくれました。
読む側の勝負は その文章が描像していること:未知の現象・未知の物体・未知の世界 あまりにも壮大だったり馬鹿げていたりするイメージの数々を いかに脳内で映像化できるか。
私は本を読む時にメモだったり落書きだったりをしながらでないと不安になるやまいなのですが 今にして思えば元々はベアのせいだったかもしれないという気がしてきており・・
代表作として 「道」シリーズ(「冠毛」小惑星ジュノーのシリーズ)がありますが イメージ化最高難易度のシリーズです。
実はこのシリーズには「Legacy」という未訳があります。第3巻。
SF失速期だったことによる悲劇により ついに日本語で読めずじまいのまま今日に至れり。 シリーズ最終巻なんですよ。 悲。

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[ ・・からの脇道 ]

最近連日な気がする訃報でもう一つ。
こちらはスタトレ関連ですらない。 が サイバーパンク関連なのでっ。
教授が亡くなって大量の記事が飛び交う中 偶然見かけた

「 坂本龍一氏が出演 SF映画「ニューローズホテル」1998 」

私は今まで見たことがなくびっくり そんなものがあったのか!
という事で ダメ元で探してみたところ ツタヤでレンタルできてさらにびっくり。

お祭りのような顔ぶれ
主演の3人は
 クリストファー・ウォーケン
 ウィレム・デフォー
 アーシア・アルジェント
坂本龍一氏 は1シーンのみの出演でした(音楽は担当していない)。
そしてイラストレーター 天野喜孝さん までちらっと出演というびっくり。




キャプチャー行為はあまりお行儀が良くないのですが これはがまんできんかった。 どうぞっ!
のりのりである。 NGシーンではない。
ウイリアム・ギブスン原作サイバーパンクSF映画です。 ・・です。

映画の感想は・・ 正直 どうしてこうなった?
低予算なのはわかりますが にしても。
もうちょいコンパクトにキュッとすればまた違った感じになっていたんかな・・

2023.4.28

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