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COSMOS ラヴロック ぽこピー

【1】

「 COSMOS コスモス いくつもの世界」アン・ドルーヤン

きちゃー!
「40年ぶり」とか言わないで!(思えば遠くへ来たもんだ・・)
現在 ナショナルジオグラフィックchでは COSMOSのシーズン3:COSMOS-2020 が絶賛放送中なのですが
本書の内容はこの番組をなぞったものになっているようで 前回のシーズン2:COSMOS-2014 の内容は含まれてません。
そういう意味では 名著「COSMOS」の正統的な続巻 という感じにはなっておらず ちょっとがっかりではあります。
さて TV番組COSMOS-2020 ですが
もはや 他のあまたの科学番組シリーズと比べて一体どこが特別なんだ という体となっております。 どうぞよろしく。(*1)
Discoveryで放送中の「SPACETIME:スペースタイム宇宙ガイド」というドイツの科学番組が NASAではなくesaの視点から作られていて 毎回とても新鮮で面白い どちらかというとこちらの方が毎週楽しみだったりするんすよne・・・ 
COSMOS がんがれ~!
映像面ではちょっと冒険していて 人形のストップモーションアニメを使うなど 実験してるのは すごくワクワクします。
始めのCOSMOSの精神を忘れずに 実験的映像を恐れず繰り出してどんどんチャレンジするという意気込みで 科学番組版のアドベンチャータイムみたいなスピリッツで これからも作り続けてもらいたい。 何を言っているんだか自分でもよくわからない。


アドベンチャータイム 2018いぬ年の年賀状

もうこうなったら ”COSMOS” というタイトルを冠することへの重みや義務感はもう忘れて 毎年やりましょう シーズン4 シーズン5 と。
スタートレックみたいに。

さて スタートレックですが 現在 新作が渋滞しています。 
さらにこれからも続々新シリーズが連発されるようです。
一体どういう風が吹いているんだ??
そして それぞれ内容がまたえらいことになっており

DSC(ディスカバリー)シーズン2: 宇宙大作戦を知らないとわからない。
スタートレック・ピカード: TNG(ネクストジェネレーション)とヴォイジャーを知らないと ”全く” わからない!!

一見さん完全遮断 マニアックハードコア路線を爆走中。 こんなんありなのか。
特に日本では スタートレックは不発なので もはや防御シールドを張られているような不親切さに見えてしまいます。 うーむ。
スタトレファン歴の長い私でさえ「あー、これ何だったっけかなー」とボソボソ言いながら ネトフリで過去作を参照しながら 置いてかれないように頑張りました。
せめて回想シーンちょっと挟むとか 軽くおさらいしてくれるセリフとか・・ そういう甘えが全く通用しないスタトレブートキャンプです。
TNGが終わったのがもう26年前
DS9/ヴォイジャー/エンタープライズ と見続けてきた私ですが さすがにTNGの細部の記憶は薄れ・・
そういう意味では セブンやボーグ周りのことはわりかし覚えているもんだなあと思います。 7年手前ですからね。
今作は 細かな過去参照ネタをあちこち配置して マニア向けに狙いすまして作っているコンセプトなのでしょう。
そりゃースタトレ大好き人間としては 最高に面白いですよこんなもん。 そりゃあね。
ただ 不特定多数向けのドラマとしての体裁は完全放棄なんかなぁ いいのかなーこんなの って思っちゃう。
でもまあ考えてみると DSCもピカードも エンタープライズ号の話ではない
そういう意味では結局 全部スピンオフなのです。
真のスタートレックの続編としてドヤ顔できるのは 次の世代のエンタープライズ号の艦長とクルーのお話 でなければなりません。
”エンタープライズ”の名を代々受け継ぐ 惑星連邦の旗艦の歴史を描く
それが スタートレックという大河シリーズの 幹線です。
そして それを堂々とやる勇気は まだ制作サイドにはない ということなのでしょう。
そういうわけで 現在どんどん繰り出されているスタトレ関連ドラマは どれもスピンオフやプリクエルなのであって 多少マニアックなことや実験的なことでハメ外すのも 大いにありなのでしょう。


埃をかぶり中のDVD スタートレックインベントリー
今や NETFLIXで 全話 素早くアクセスできちゃうし・・

さて 
DSCは クマムシ(ターディグレードとは言わない)と マイセリウム(菌糸体とは言わない)の銀河ネットワーク という 有機的宇宙観タイプのSF方向に進んでいて あーそっちに進路をとったか~ と感慨深かったのですが 
古き良きSFの香りを思い出して 今回の自宅待機期間中 銀河帝国シリーズ や 地球の長い午後 なんかを パラパラ読み返したりしてました。



ブラノンブラガPのCOSMOS-2014では クマムシがフィーチャーされていましたが 
現在放送中のCOSMOS-2020ではなんと 大地に広がる菌糸ネットワークが情報ネットワーク ひいては知性なのでは? というエピソードが放送されました。
コンボ決まった。
こういったニューサイエンスっぽい香りは 古き良きものどもへのノスタルジーもありつつ 30年前のものから漂うカビ臭さみたいなのも自分にはちょっとあります。
そして 近頃のSF/ポピュラーサイエンス界隈は もしやそっち方向への揺り戻しが起きとるんだろうか という勘も ちょっと働いてます・・
(・・と言っているそばから フリッチョフ・カプラがNHKのレオナルド・ダビンチの番組に出てきた。 やはりそうなのか・・)

<追
(*1)
・・と思っていたら 5/26日放送の回がすごかった。
キュリー夫妻 マンハッタン計画 ぼーっとしてるとみんな死ぬぞエピソード そして 
絶滅の館行きか 輝く未来都市か の2択を提示して終了。
COSMOS-2014では こういったメッセージ性の強さはなかったのですが
今回のCOSMOS-2020では 一周回って 核の恐怖というCOSMOSの原点に回帰しました。
40年間 人類は全く進歩しなかった??
/追>

【2】
フリーマン・ダイソンが 96歳で亡くなってしまいました・・
と悲しみの矢先 ジェームズ・ラヴロック かっこ100歳 の新刊出ました!


「ノヴァセン」ジェームズ・ラヴロック

ぐぬぬ! 物事がシンクロしていくゾ。
たぶん久しぶりに「どうだ!これがSFだ!」という読書ができるにちがいないです。
「ちがいない」と言いましたが 実は もったいなくて まだ読んでいない!
私のような枯れ葉虫には ハラリ氏の本も三体も 正直もう一歩刺さらず、、
ラヴロック老師の御本が 本当に本当に楽しみなのです。
読み終わりたくないよー


DKの 「SCIENCE The definitive visual guide」
見開きまるまるラヴロック先生に割かれているぞ!!

ラヴロックといえば もちろん ガイア ですが
ここで つい最近つまみ読みした銀河帝国シリーズ後半に出てくる ガイア とつながるわけだ!
そして アシモフといえば もう一つの柱が ロボットシリーズで
第2巻「はだかの太陽」は 惑星ソラリア が舞台ですが この星がまさに ソーシャルディスタンスの星 なのです。


「はだかの太陽」アイザック・アシモフ

未来の人類社会の一つのパターンとして 人と人とが極端に距離をとって暮らしている かなりぶっ飛んだ世界が描かれています。
家と家が何キロも離れている 各家には人間一人と召使いロボットしか住んでいない 人同士の意思疎通や結婚などに関する仰天の習慣が描写されていきます・・
非常~に大昔に読んだ本ですが このイメージがあまりに印象的すぎて 今回世界がこんなことになった時に この小説のことを真っ先に思い出しました。

【3】
みんな見ましたか~ 『ぽんぽこ24時間生放送Vol.4』 。 YouTubeです。
全くの個人企画で 全国のヴァーチャルYouTuber:VTuberの参加者を集めて/参加者が集まってきて 電脳サブカル祭りをぶち上げる 恒例の行事です。
VTuber界というクリエイターコミュニティーにおける そのハブ的な場といった感じ。
今回の自粛期間中に見た すべてのコンテンツの中で 一番面白かった これからの世界を夢想するための強力な霊感を与えてくれたイベントでした。
大袈裟じゃないよ。
ヴァーチャル空間は 生身では無理めだが自分のアバターでなら思う存分自己表現を爆散しまくりたいという アート指向ひねくれ表現渇望者ども を引き寄せる グレートアトラクターである。
彼らは HMDやモーションキャプチャー VRライブサービス 3Dモデラーやゲーム開発環境 といった最新ガジェットを さっそく使いこなして遊んでいる 時代の拙攻なのだ 調査兵団なのだ。
僕はそういう人たちが大好きだ。
この遊び場の存在 そこで遊んでいる人々の存在 に気付いている人は まだ限られているようだ。
アリーナでバーチャルアイドルがコンサートを開いた とかいった類の 企業プロデュースの大型イベントについては見たり聞いたりしたことあるかもしれない。
が 今起きつつあることの本当に肝心な部分は 次のようなこと・・・

いつの時代でも 最も肝心要な存在は 創造の基本単位たる クリエイター個人個人 であり
彼らが祭りを求めて自発的に集う場 が 現にすでにここに 創発 されており その創造作業のための共同空間において 建築ラッシュが起きている ということ・・・

さて この生態系は とりま まずは日本というこのまことに奇妙な辺境にて高度成長し始めておるため 世界の大半から見過ごされておる ばかりか 日本においてもたぶん大方の人からは見過ごされている。
一方で コミュニティー内からはというと 昨今のVTyuberの増加爆発により すでに飽和状態が訪れている との悲鳴も聞きます。
マクロ視点では 非常にニッチな隙間空間での出来事であり
一方 ミクロ視点:生態系内部からの眺めでは この世界はそろそろ飽和状態 圧力限界である。
この構造は 僕には とてもおなじみのもの に見えます。 いろいろなところに普遍的に見られる自然界のパターン。
局所的に情報量が高まっている 座標上のピンポイントにエントロピーがとても低いピークが出現している。 ポテンシャルが高い山になっている場所。
「なんだね Mr.スポック」「船長、惑星表面に生命反応があります」
NASA「火星で生命を見つけたいです」ラヴロック「局所的低エントロピーを探しなされ」
こういうのは 出口が開いた瞬間雪崩れを打ち 周りの平衡状態を新世界へ作り変えます。
例えば VR/ARガジェットが 生活環境にこれからグイグイ入ってくるでしょう。
その時に バーチャルアバター的なアート活動の活躍の場の広がりは 途方も無いものでしょう。
「結局はマザーシステム:自由資本主義にやられてしまうんでは?」
いやいや 今のTVの断末魔的状況を見たまえ。
絶滅と再生というのは 本当に起こる現象なのです。
恐竜が滅んだ後 それまで巣穴でこそこそ活動してたちっちゃいネズミみたいなのが 爆発的に発展して 地球の覇権を握っていったのです。
コロナは隕石なのかもしれない VRはデカントラップの大噴火なのかもしれないよ。

かつて すべての映画はアニメになると言われました。
そしてその後順調に 役者さんの演技は3Dモデルアニメーションとなり 舞台はバーチャル空間となり さらにドラマとゲームの融合が起きました。
遅かれ早かれ 大半のアートが バーチャル空間におけるバーチャルアバターによるバーチャル創作活動となる これは多分もう変わりようがないのです。

TV番組日曜美術館で ある海外のアーティストが コロナで日本での展覧会が停止中の状況なのを受けて
「これからは展示場を使わない形の作品発表をしていきたい。
私は作品を直接各家庭に届けたい。
バーチャルな手法を使えば可能だ」 と語りました。
VR映像や3Dプリンターのことを言っているのだろうと思います。
あーなんということだ! もう すぐそこまで来ているんだな。

思い返せば バーチャルパーソナリティーは サイバーパンク小説のアイコンの一つで もう何十年も前からおなじみの概念でした が あくまでフィクション。
さらに掘り進めば よく言われるように ディックやティプトリー接続された女 ということになるのでしょう。
これらはいわば 予言書に書かれた想像の物語です。
そして気づけば 初音ミク的日本製サブカルアバターが 2017年映画ブレードランナー2049のJoiとして 日本/西洋 フィクション/現実 のキワキワを行き来する時代となっていた。
多くのVTuberは2018年あたりからスタートしており そして2020年現在 我々はいつの間にか 
「今回で4度目となるヴァーチャルアバター祭りがこのゴールデンウイークにご近所で開かれてたらしいよ」
「へーそーなんだー」
という日常を生きているのダ!


・・
・・・ 
はぁいっ!
・ ・ ・ ・
とゆ~ことでね 。 ・・ ・・ ?。。 . . . . . ! . .  

2020.5.20

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