バンド・デシネ はいいぞ
先日締め切られた 「DMM 電子書籍・マンガ 70%OFF」
ギリギリで存在に気づきました。
ぽんぽこさんの動画 で知ることができたのですが (*1)
なんせ 気づいたのが終了ギリギリのタイミングで 泡食ってしまいました。
そしていざ 「坊主、 欲しいもんなんでも買っていいぞ!」 と そんなこと急に言われても 何買っていいかぜんぜんわからん!
(そして この文章がページに載る頃には もうすでに終わってしまっているイベントなのであって このblogの情報的な価値は既にゼロであるわけであり なんのためにこんなこ)
そこで 日頃からどんどん積み上がっていくamazonの”ほしい物リスト”を ダーっとスクロールしていったところ
「星々の城 1869年 宇宙の征服」 アレックス・アリス
そうだ これまだ買ってなかった。
でもこれ バンド・デシネの大型書籍だし 多分DMMにはないだろ まあダメ元で・・
あっ、ありますね。 うん? エエッツ!!
<購入>
通常価格¥2750のところ ¥660 でス。 ン”〜〜 ワタ ワンダホ〜 ワ〜〜
(*2)
バンド・デシネとは ざっくりいえば フランスなどヨーロッパで出版される漫画のこと。
作家では メビウス(ジャン・ジロー) エンキ・ビラル など。
私は それほど沢山読んでいるわけではなく 説明口調になるのも烏滸がましいのですが
でもとにかく 読んでる時の充実感 そして本棚に鎮座させた時の満足感が アメージングなので 少し語らせていただきたく。
バンド・デシネは 日本の漫画の出版形態とは大きく異なり
でかかったり 重かったり お値段もしたりします。
邦訳版のものは 原作版の数巻分を1冊にまとめてるようなものも多く 分厚い辞書のような鈍器と化しているため 手に取ることを躊躇させるオーラを放っています。
全ページフルカラーが普通 1ページ1ページ緻密に描かれたものが多いです。
そして 人によっては 最初はちょっと読みにくい場合もあるかもしれません・・
というかですね実はですね マジで読みにくいんですね 最初は。
基本 文字情報を詰め込んできます。
説明的な文だけでなく セリフなども 情報をみっちり詰め詰めしてくるタイプが多いです。
でもそれには そうなる成り行きがあるのですね。
日本方式の いわゆる週刊や月刊連載からの漫画単行本 と違って
バンド・デシネは はなから書き下ろし絵物語として作られる製品 であり よく絵本に近いものだと言われます。
グラフィックノベル(絵小説)という呼び方がしっくりきたりします。
日本の漫画だったら 物語世界構築のために果てしなく連載ページ数を費やすことが可能ですよね。 それこそ全数十巻とか。
バンド・デシネという形態では 絵本状のもの1冊〜数冊に 同等の内容量を詰め込む形になります。
なので 絵の密度・文字の密度が えらいことになるのです。
1ページで漫画10ページ分 1コマが漫画10コマ分相当 みたいな。
初見の読みにくさは そこから来るわけです。
ですので 読むこつは 日本の漫画を読む時のいつものテンションではなく ゆっくりじっくりのテンションで臨みましょう です。
文字をゆっくり辿り 作家が緻密に入魂した一コマ一コマをじっくり追っていこう。
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さて 日本にもいますよ! バンド・デシネ作家が!
Vチューバーの(Vちゅーばーなのか?) 松村上久郎(まつむらかみくろう)さん。
自らバンド・デシネ作家を名乗り 動画や出版などを通じて ”日本にもバンド・デシネ作家増えたらいいな運動” をされています。
まちゅむらさんは とにかく ”一発描き” という異常能力が 最大最強の特徴で
動画を見ていただければ その超絶ぶりがお分かりいただけようかと。
そしてなのですが 肝心なのは
なんで まちゅむらさんは 「日本にもバンド・デシネ作家増えたらいいな」 と思っているのか なのです。
日本人は 漫画家になりたい それで飯を食っていきたい とか思うわけですええそうですとも。
で 日本に生まれてそれを思った時 現実問題として どういう選択肢があるのか。
もうみなさんご存知でせう
修羅の道です。
週刊月刊連載が主なベースの日本独特の漫画産業 生存競争(だからこそカンブリア爆発大発展してきたわけですが)。
さて、 日本漫画とバンド・デシネとの違いです。 ざっくり言うと
方や 週刊誌月刊誌連載の激闘の日々をサヴァイブしている ベテラン職業軍人
方や 書き下ろしの出版を生業とする コツコツタイプの作家生活者
アーティストによっては前者が向いている でも人によっては 後者のような形態が理想な人もたくさんいるはず。
漫画家として しかも後者の形態のライフスタイルで なんとか行けないもんか?
実際 絵本作家の方などは 後者の方かもしれないです。
が、 たとえば「進撃の巨人」が 絵本作品・グラフィックノベル作品として出版されていたかもという世界線は たぶん今の日本の出版の構造の中には無いのでは。
いわゆる”漫画家”とは別の 漫画描きたい人間としての人生の選択肢。
小説家の場合 週刊誌連載/新聞連載だけが仕事じゃない いやむしろ みなさん書き下ろし出版の方がメインでしょう。
漫画家だって そういう選択肢があって然るべき。
そして フランスの漫画出版が それを普通にやってるわけなんですね。
だから まちゅむらさんも そうしているのです 個人で。
そして その選択肢がみんなにも開かれている必要 その選択肢が存在可能な社会になってるのかなるべきなのでは問題 その方がもっと面白いはず問題 なのです。
ええ大問題ですともええ。
以上がですね、 私が本稿を書こうかなと思った なんとなく言いたかったことだったりします。
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バンド・デシネ とか グラフィックノベル とか ご紹介
ほんとうに私の持っているものなど 基本も基本 浅瀬も浅瀬 足の裏が湿る程度でしかないのですが
ほとんど初めてという方もいるかもしれず こんなものがあるんだよということで・・
フランスのバンド・デシネでは
「アンカル」
メビウス
メビウスは これ以外にもたくさん邦訳出ています。
「メタバロンの一族」
ホドロフスキー原作
ホドロフスキーも山ほど出ている。 画はファン・ヒメネスさん
「闇の国々」全4巻
ブノワ・ペータース X フランソワ・スクイテン
この作品が一番好きかも・・
「天空のビバンドム」 ニコラド・クレシー
「イビクス」 パスカル・ラバテ
かつては ユマノイド:フランスのバンド・デシネ出版社HUMANOIDSの日本支店 というところからどんどん翻訳が出ていて 買わせていただいてたんですが ここ何年かはアウトプットが止まってしまってる感じです。
さて グラフィックノベルは フランスだけでなく
「絵物語 ホビット」
J.R.R.トールキン / デイヴィド・ウェンゼル
「サンドマン」
ニール・ゲイマン
アメリカンコミックスでありつつもグラフィックノベル
ニール・ゲイマンはいろいろとキーマン。「アメリカンゴッズ」はアマプラで見られるよ。
「フロム・ヘル」 アラン・ムーア
重鎮 魔人。
以上、知ったかぶりも烏滸がましさけたたましく 片腹痛がられるので ここまでといたします。
これからどっぷり潜りたい 深海探検したい方は 山ほどある有識者の方々の解説、レビューの方へお進みください。
最期に、
この後に及んで言うのもどうかと思いますが 実を言うと どちらかといえば紙の書籍の方をおすすめしたい。
実際に手に取っていただき 素晴らしきグラフィック世界を体感していただきたいです。
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(*1)
ぽんぽこちゃんねる さんより
「【天国】最新漫画が激安だったので100冊爆買いしました!!!」
2021/04/12
そして、
今年も開催決定 「 ぽんぽこ24 Vol.5 」 たのしみですぞ!
5月4日 20:00 ~ 5日 20:00
(*2)
そのほかに買ったもの
諸星大次郎先生の 西遊妖猿伝 全巻
買い集めきれていなかったのが やっとちゃんと全部読める。
こんなチャンス逃せませぬ(作品いまだ未完なんですが・・)
2021.4.15