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デューンとファウンデーション その後・・



銀河帝国シリーズ 創元文庫版  かっこいいんですよ〜 ぅ〜ん♡

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ファウンデーション AppleTV+
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ファウンデーション はじまりました。
そして終わりましたー 第1シーズン。
うーむ・・・

本当はこうなるはずでした。 こうあってほしかった・・・

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舞台はApple本社 製品発表に向けた幹部会議

Apple CEO ティム:
「それでは プロモーション映像を見ていただこう。
・・おい、どうした 早く映せ。 なにをもたもたしている。 」

「すみません プロジェクタが何者かにオーバーライドされて・・ あれっ? 何か映ります!」

「なんだこの映像は? 予定と違うぞ!」

そして・・

「 どうも! スティーブ・ジョブズです。」

息を飲む一同。

「 私の計算が正しければ
君たちがこの映像を見るのは 私が死んでからきっかり10年後である。
現在の君達は 歴史の転換点にある。
Apple帝国は 表面上の華やかさとは裏腹に 重大な危機に直面しつつある。
この10年間 君たちの帝国の歩みは
iPhoneやMacBookの改良などというちまちました更新に終始とどまり
AppleWatchなどという誤った哲学にリソースを消耗し
かつてのチャレンジ精神はすっかり後退 文化は衰弱し続けている。

私の計算では このまま君たちが何も手を打たなかった場合
Apple帝国は 10年以内に崩壊するっ!!

さて 現在から数年のうちに銀河は
VR・ARをめぐる血みどろの覇権争いが繰り広げられる歴史周期に入る。
特に 二大豪族:冷血なGoogle民主共和国と蛮族上がりのFaceBook王朝 に注意しなさい。
君たちは この潰し合いに乗じ これを利用するのだ。
その方法は・・


ティムは青ざめているが 必死にメモを取っている社員もいる。

「 ・・今回のメッセージは以上だ。 ではまた会おう。」

そして映像は ふっと消えた。

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つかみは このようになるはずでした。 ですよね?!
「銀河帝国シリーズ」のかっこよさは 要するに この始まり方なんである!
そして 今回 それをやらなかった! なんてこったァ〜!

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放送開始前は  ドラマ「ファウンデーション」は いったいどんなものになっているのか謎であり  色々な可能性が妄想されました・・

1.原作最初の3冊の部分の 原作準拠の完全ドラマ化!
2.最初の3冊の部分を元ネタとした オリジナルストーリー
3.全シリーズを通した内容を整理し再構成した 奇跡の完全ドラマ化!
4.全シリーズを通しての内容をふまえつつ しかし原作とは違うオリジナルストーリー
5.シリーズ最後のバトンを受け取ったデビッド・ブリンに引き続き全部お任せして ブリン必殺絢爛豪華完全オリジナルやけくそストーリーを華麗にぶちかましてド派手に散る!!(願望が過ぎる)

そして 結果は??   4 でした!

一番微妙な線をついてきた。
この選択は痛恨のエラーなんではなかろうか?
いちばん需要が少ないんではなかろうか・・

ロボットが登場したところで
「まじか! これは 全シリーズを視野に入れてますよ という宣言だぞ!」
テンション急上昇・・だったのだが
彼女も含めて まさに登場人物達全て 名前が原作と同じであるに過ぎず
原作とは似ても似付かぬ全くオリジナルなストーリーと化していることがわかってきて・・
うーむ・・

ということで、
このドラマは今のところ もっとも反応に困るルートを辿っています、はい。
この先いったいどうなってしまうのか まだ予測計算を終えることができません セルダン博士。
なんとも・・何とも言えません今のところは・・
ですので 書くこともあまりありません・・

今後も心配しながら見守っていきたいです。 心配しながら。

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歴史動力学
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ファウンデーションシリーズの 初期3冊のカナメは
” 心理歴史学 ” というフィクションにあります。
人類の歴史・帝国の運命を方程式による計算によって導き出し予言する という技術です。
これは あくまで小説上の架空の存在なのですが

実は現実世界にも 帝国の興亡を数式で計算しようとしている人がいるんです!

ピーター・ターチン 進化人類学者
「歴史動力学」提唱
イラク戦争のデータからISの出現を予言した事から がぜん注目を集めました。

私は ターチンのことを モーガン・フリーマンから教わりました。
「モーガン・フリーマン 時空の彼方」シーズン7「正当化する心」
(NHKでは「モーガン・フリーマン 時空を超えて」)
私の全ての知識はモーガン・フリーマンから授かったものだ。Fuhahahaha...

歴史動力学は これまで
ローマ帝国 イスラム帝国 オスマン帝国 などの興亡をうまく説明してきたとされる。
なら未来の予測は?
ということで イラク戦争後の未来について計算してみたところ
権力の空白地帯に勢力争いが生じ 最も暴力的なグループが支配権を握り 新たなる冷酷な ” 国家 ” が出現するであろう とのお告げが導き出された。
そして数年後 実際にISが出現したんである。


「国家興亡の方程式」 ピーター・ターチン 2003年(日本語版2015)

私はこれを 大雑把に読んでおるのですが
歴史上のいろいろな帝国の盛衰を ” 振動を表す方程式 ” の一種で模型化してみました という感じ。
本書には グラフや地図がたくさん出てくるのですが
うまくパラメータ設定することで 実際の帝国達と似た様なサイズ感の領土が 数百年周期くらいで周期的に興亡する感じが うまい感じに再現できるようなのである。

さまざまな方程式の形を試行錯誤しており
収束:地球帝国が出現して安定してしまう
カオス:収拾不能な混乱状態
ではなく
振動:さまざまな帝国が各地に現れては滅び現れては滅び を安定して継続する
を再現するために いろいろ検討している。
そして
低速フィードバック(遅延のあるネガティブフィードバック)を持った二階システム がいい感じであるとわかってくる。

さて、 ” 振動 ” である。
振動は 世界のありとあらゆる場所で起きている 最重要で根本的な現象なんですね。
要するに

YouTube生放送の時の あれである・・

 「 みなさん聞こえますかー
 あ、声小さいですか。 上げますね。 え、ゲーム音大きい?
 ゲーム音下げて 声戻しますか?
 えっ 声大きい? えっ ゲーム音小さい? えっ えっ・・・」


これである。

コメント打ってから表示されるまでの ラグ:遅延:周期ずれ によって
上げたり下げたりが 永遠に彷徨う:振動するんである。
ネガティブ方向に働くフィードバックが 遅延して(ずれた位相で)作用すると 物事は振動するんである。

宇宙の全ての振動現象・波の伝搬・回転軌道運動のメカニズムが とどのつまりこれである。
サインの微分がコサインになりコサインの微分が一周回ってサインに戻ってくるのは それが波だからなんである。二階微分が往復運動を表すんである。
生放送のオープニングトークとサインコサインの波の傾き変化が同じものに見えてくれば かわいそうに あなたの脳は物理脳に侵され始めているんである。

さて
歴史動力学で説明しているのは 世界が農業社会である場合の 政体の "領土" の変化です。
工業化後の国家はまだ扱えない ムズイので。

ややこしい用語がいろいろ登場
エトニー:文化を共有する安定集団 
メタエトニー:カトリック世界 イスラム世界 などの さらに大括りな集団 
という感じで 集団の階層構造を考えます。

アサビーア というパラメーターが提案されています。
集団感・服従の強度 みたいなことで
集団が集合的行動を取る能力値であり 帝国の連帯感を計るもの。

これ等を その他さまざまなパラメーター:サイズ(国境)、人口、資源、などなどと一緒に鍋に入れる。
そして「領土」という形の計算結果が 帝国の分布・興亡として グラフや地図上に表現される という感じです。

この帝国の興亡の様子を あらためて言葉で表すと こんなストーリーになるようです・・

小さな集団が 力をつけて徐々に大きくなり 最後は巨大な帝国になる。
が やがて帝国中心部の長期安定が エリートたちのアサビーアの減少・連帯感の減少を招く。
一方 辺境部では 中央とは独自のアイデンティティーが生じ 高い連帯感によってまとまりはじめ やがて独立の新たなサブエトニーとなり 新たな帝国の種になる・・

こういった状態変化が 一定の伝搬遅延を伴って各地で生じ
全体的には 複数の振動現象が各地で繰り広げられるダイナミックな世界となります。

著者はこのモデルを 伝染病拡散モデル(自己触媒モデル:反応拡散理論)に近いものだ と言っていて
これは 今まさに現実問題と化しているインフルの予測モデルなんかと類似のモデルなんである。
毎日見ている あのキレーな振動カーブの感染者数グラフ・・

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「国家興亡の方程式」感想。
とても面白かった(かなりすっ飛ばして読んだ記憶ではありますが・・)。
と同時に 心のどこかで「そりゃそうだろうな」という若干冷めた感想をいだきつつ 読み進めたことをここに告白します・・
振動を表現する方程式をうまい具合に調整すれば 振動的な現象は何でもうまく近似できるよね という。
何かの根本的な解明になっている という感じが今一歩してこないというかなんというかかんというか・・
ライフゲームというか チューリング拡散というか・・

逆に 「世の中全て 結局は 振動現象の集まりなんだー!」 という悟りなんであれば
ぐぬぬっ と心に響くところは確かにあります。

そして学問とは別に オープンワールドゲームの設計とかにこういう知見を大いに取り入れてもらって面白いゲームとか作ってもらいたい などと妄想したりもしたいです・・

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映画 デューン
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もう12月になってしまひ いまさらですが この後ハーバートの小説のことを書こうと思っており まずは・・



ビルヌーブ版デューン

とにかく予想外で
映像も セリフも 物語の進行量も 全てがミニマル。 必要最低限。
削りに削って削ぎ落とし 芯を露出させた むしろ芯しか残ってないみたいな 尖った映画。
原作はあくまで 壮大なイメージ創造のとっかかりとして参照されているに過ぎない。
監督の妄想した もはや別ビジョンのイメージ映像絵巻 みたいな感想です。
だから やたら音楽が出張ってくる。 映像プラス音楽で一体である何か。
なんか 万博か何かで見る お祭り期間限定の特別上映作品 みたいな感覚。
IMAXでの 画角がコロコロ変わる 特殊な上映だったこともあるかもしれないけど。

私は 今回の映画 原作初期3作を前後編でやるものと完全に思い込み 勝手に勘違いしており
前後編すなわち 1.5 + 1.5 で 3冊網羅の完全映画化 と思ってました。
(願望が妄想を起動してました・・)
天才的手際の脚本で 見事にあのめんどくさい原作を捌いてくれるものと。
そしたら  0.5  でした。 1冊目の半分まで。
これが最大のショック・・

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デューンではない ハーバート
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さて・・です。

ハーバートの本とはもうご縁はなかろうと思っていたのですが
(なぜハーバートが苦手となったかは 前回書いたので そちらを・・)
なんと このようなものが出ていたと 本当に最近知りまして
タイトルがもうヤバい輻射を強力に放っており。



ジャンプドア1 「 鞭打たれる星 」
ジャンプドア2 「 ドサディ実験星 」

疲れた。疲労困憊。 案の定
あいかわらずのハーバート文体であり 読むのがとにかく大変。
しかし 読んでよかった。 実は 面白かった。
特に「ドサディ実験星」は 起承転結がある大活劇であり 最後は悪を挫く大団円となっています。
下手すると いままで読んだハーバートの中で一番面白いまである。

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ジャンプドア1 「 鞭打たれる星 」

カレバンという生命体が物語のキーなのだが 彼女が何を言っているのか 終始さっぱりわからない。 つらい。
このあたりは まさにハーバートである。

そして 物語はこうです。
 星が牛革の鞭でピシピシ打たれている。
 このままでは全知的生命が絶滅してしまうぞ!
 宇宙を救うのだ 特命サボタージュ工作員マッキー!

ポータルとかドクター・ストレンジみたいな出入り口が パッと開いて
そこから手を伸ばして 鞭でパシッと打つのである。 超次元生命体カレバンを。
そして 警備のものに反撃される前に ぱっと閉じる。
これをしつこく繰り返して カレバンを弱らせるんである。
カレバンが死ねば ややこしい理屈の結果 全知的生命が滅びてしまうのである。
カレバンのいじめかたは ある女性の ”ねじくれた欲望” によって偶然発見されたもので
古代地球で使われていた子牛皮の鞭で パシパシやるんである。

何言ってるかわからないでしょうが 頭がおかしいのは私ではなくハーバートなんで。

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ジャンプドア2 「 ドサディ実験星 」

どサディな星で育った女王さまキャラと 主人公が 共闘して繰り広げる大活劇です。
蛙型異星人ゴワチンがドサディー星で行っているおぞましい計画を暴いて 奴らを吊し上げろ!

あいかわらず 情報量の洪水。 裏の読み合いの 読み合いの 読み合いの・・
読むものを迷子にさせる定期。
緻密で膨大な背景設定があり 文中ではそれ等を小出しにしてくる。
さまざまな異星種族が登場し それぞれの生態風俗がまるでぶっ飛んでいるため 把握するのにけっこうな理解力を要求され。
とにかく 全体像を読み解くための負荷が尋常ではない。
そして 完全に理解できた などとはまるで確信が持てないまま 読了する。
でも ストーリーは最高に面白かった。 困ったことに。
キャラの立った情熱的な登場人物たちが繰り広げる熱いドラマであった。

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デューンそしてこの2冊を読んで あらためて朧げに見えてくるものがありまして・・
恣意的に与えられる肉体的精神的苦しみを耐え抜くことによって 何か素晴らしい世界に行ける 能力が開花する・・
このモチーフが デューンも含めて 繰り返し出てくるんである。 今思えば。
「いじめられるの好き~。 」という 元も子もない本性は
「苦痛に耐え抜き苦境をサバイバルする精神に 知性の輝き・崇高さを見る」
というかっこいい言説に 変換可能なんである。
そこが ハーバートの隠れ蓑戦法 クレバーさ なのかもしれないが
あるいはもしかして本気? 両面性?
Mの方々の論理体系の中に こう言った理屈があるんでしょうか。
もしくはそう言った思想の派閥があるとか。
私は 深入りはしたくないのでここで引き返しますが 
デューンを読んでいた時の 素朴な「きもちわりぃ」という感想から 一駅先を垣間見た気がしました。 
おとろしい。 たぶん もう帰ったほうがいい。

ではでは。

2021.12.01

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