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3. 太陽系

 太陽系というのは、ものすごく大まかに言って、下図の様な構成をしています。

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 覚えやすいのです。
さて、太陽系の中を徒歩であちこち移動するとなると、月までの遠足とは桁違いのスケールになってきます。

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 太陽系のなかのいろいろな距離を言い表すに際し、天文単位AUという単位が良く用いられます。
地球と太陽の距離を1天文単位:1AUとします。
上のイラストの中でもAUを使用しています。
さて、1AUは 1億4959万7870kmです。
ちなみに、光の速さで8.3分(8.3光分)です。
149,597,870km は徒歩で
37,399,467.5時間 = 1,538,311.1458333日 = 4,266.423年 です!

ここから太陽まで(1AU)、徒歩で4千200年。
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 天文単位の大きさという物がどんなにでかいスケールかわかりました。
毎日見ているあの太陽が、とんでもなく遠くに有るわけです。
しかしです、この値から受ける「とっても遠いね」という感覚はわかるとして、もっと確かな把握、4千200年という数値の長さの実感ができないものか。
4千年が実際どれくらいなのかをもっと具体的にイメージする事はできるでしょうか。
ひとつの方法として、例えば4千年前というとアバウトに4大文明の勃興期、いわばその頃太陽を出発した人がいたとして、日夜歩き続け、やっと今地球に到着した、といった物語化ができます。
しかしやはり「そうとう気の遠くなる話だなー」というぼんやりとしたイメージはつかめたっぽい印象も無くはない気もしなくはない感じですが、かなり曖昧さに包まれた記述であると言わざるをえない。
あるいは、あなたの年齢、例えば40歳として、その105倍である、という感触の方が、もう少し自分にとってリアリティーのある、つかめた感の強い書き方かもしれません。
いずれにしろ、私は何千年も長生きしてきた訳ではなく、つまり、4千年が実際どれだけの時間なのかは ”わたしは知らない” という事実からは逃げられませんと。
この問題に関しては後ほど ”時間を歩いてみる” 作戦にて検討しますが、ひとまず太陽系の探索を続けます。

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 地球のお隣、火星までの距離を見てみます。
火星も地球も、太陽の周りを楕円形の軌道を描いて回っていますので、近づいたり離れたりします。
ですので、地球と火星の距離、というのは一概には言えない物なのですが、ここではいわゆる”大接近”の時の距離、すなわち最も近づいたときの距離とします。
2003年8月27日に火星大接近が起きました。
この時の距離は 55,758,066km でした。
天文単位では 0.37AU くらいです。
徒歩で歩くと 13,939,516.5時間 = 580,813日4.5時間 = 約1590年 65日

ここから火星まで、徒歩で1590年。
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 私はこの数値を初めて見た時、正直「やっぱり遠いなちくしょう」と思いました。
太陽までに比べれば近いのですが、それでもやっぱりすごい距離だなと思います。
千五百年前というと日本では古墳時代でしょうか・・

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 では、太陽系の大きさを調べてみます。
太陽系の半径的な?イメージとして、ここでは太陽から海王星までの距離を見てみる事にします。
カイパーベルト、オールト雲などのキーワードをご存知の方もいるかと思いますが、ここはわかりやすく、最遠の”惑星”(冥王星ゴメン)までとして計算してみます。
海王星の平均公転半径は 4,498,252,900km(30AU)で、徒歩スケールに直すと 128,286.9296年(12.8万年)

太陽から海王星まで、徒歩で13万年弱。
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 こうなってくるともう、じたばたしてもはじまらない世界になってきます。
いわゆる、地質学的なスケールの時間、という物に突入したわけです。
10万年前あたりというと、ネアンデルタール人の時代で、ホモサピエンスはそろそろアフリカを出発する準備かなとか、そんな話ですので、さて私の人生に比べてどれくらいでかいか、とかそういったことはもはや無意味です。ちなみに、フィンランドでプルトニウムを地層処分しようとしている施設に関するキーワードが”10万年後の安全”です。いずれにしろ、気が遠くなる時間です。
 ですので、徒歩による宇宙探検はここでいったん撤収します。
後ほど、宇宙規模の距離について再検討しますが、しかしそのためには、先にこの”巨大な時間”という問題の方を調査してみます。

 
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