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付録1.基本的な方針

このサイトで扱っているのは、次のような種類の数についてです。

・距離、長さ
・時間
・数

それぞれ、普通使われている単位は

・メートル、キロメートル、光年・・・
・時、日、年・・・
・人、枚、本・・・

等さまざまですが、私がこだわっているのは体感的、身体的、皮膚感覚的な把握という事です。
そこでまずは、すべての人が身体感覚として自然にイメージでき、確実に把握できる長さ、時間、数の物差しの基準、最小単位をおおまかに設定し、考えを進める出発点にしてみることにしました。

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1.距離

 まず距離や長さについてですが、たいがいの人が肉眼で無理なく見分けられ、長さとして実感できる一番小さな大きさは、1mmというサイズではないかと思います。
1mmと聞けば、ほとんどすべての人はその長さ、小ささの程度をイメージでき、実感できるのではないでしょうか。
アリの大きさが3mm、ぶどう一粒の大きさが10mm、と言われればだいたい正確にイメージできるのではないでしょうか。
それに、手元に定規があれば、いつでもすぐ肉眼でその大きさを確認することができます。
このような事から、大きさの最小基本単位は1mmと置きます。

長さについてはもう一つ別の目盛り、すごく長い距離をイメージするためのものとして、歩行速度を採用したいと思います。
歩行という行為は自分の体を使って日々体験する事ですので、距離感、速度感の基準として何よりも有効です。
ただ、歩く速さは人それぞれ若干ばらつきがあるかもしれません。
不動産広告でよく見る徒歩何分、あれはだいたい時速5km弱くらいだという事らしいですね。
広告独特の数値感覚を考慮し、また子供や女性も含めたおおまかなアベレージを想像して、時速4kmくらいを使用するのが妥当かなと思っています。
以下ではこの値を用いていきますが、あなたご自身の歩行速度を使っていろいろな数値を計算し直すと楽しいかもしれません。

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ここで念のため mm、徒歩の両者の関係を確認しておきます。徒歩速度 4km/時 として、
4km/時 = 4000m/時 = 66.66m/分 = 1.111m/秒 = 1111mm/秒
です。

(徒歩以外の方法について下記 メモ1)

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2.時間

 長さの基準を考えたときと同じ要領で、身体感覚としての時間の最小単位を考えてみると、やはりそれは"1秒"ではないでしょうか。
1秒2秒という感覚は私たちにとってとてもなじみ深い時間感覚ですし、かつ分解できる最小の単位だと思います。
また、手近の時計の秒針などで、秒間隔の感じはすぐに確認できるでしょう。
ただ、長い距離を扱う場合にmmでなく徒歩スピードを用いる事にしたように、時間についても場合に応じて、時、日、年、という単位を使うほうが便利です。
これらの単位の時間の長さの感じは、秒に対する感覚とはちょっと質が異なるような気もしますが、それぞれどれも私たちの皮膚感覚として実感が可能な単位ではないかと思います。
また既に、徒歩速度を考える場面で時速という単位を使用しております。
時間に関しては少々混乱気味のような気もしますが、やはり”時間”は難しいのであります・・
時間に関するぼやけたイメージをクリアにするために用いる「単位の置き換え操作」については後ほど述べます。
さて、秒と時、日、年の相互関係を確認しておきます。

1時間 = 1,600秒
1日 = 86,400秒
1年(365.25日として) = 31,557,600秒

この 31,557,600秒 という大きな数に関しては「単位の置き換え操作」の項で再調査します。

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3.数

 数すなわち個数というものの大きさについてです。
個数の計り方の基本は、当たり前すぎるかもしれませんが自然数です。
1、2、3、と自然に物を計っていく数値が自然数ですが、もちろん人間にとってとても自然な事です。
最小単位はむろん"1個"という事になります。
もっと具体的に言えば、1個という場合、1粒の玉のイメージです。
ただし、私がそもそも問題にしているのは、簡単には実感できないばかでかい数、何十万とか何億とかいった自然数を感じる方法です。
そして”1万個とは1万粒の玉だ”という記述は、このままでは無意味であります。
そこで、大きさの最小単位として決めた mm と言う基準体感スケールを、数を数えるという場合にも適用する、という事をやります。
”1つ”という数のイメージの最小単位を直径1mmサイズの丸い点、あるいは直径1mmサイズの球の粒である、とイメージします。
一列に並んだ点、平面に整列した点、はたまた球のつぶつぶが立体的にぎっしりつまって整列しているイメージです。
個数をmmという長さの基本単位に結びつけるやりかたが「単位の置き換え」です。

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4.確率

 確率は、時間や距離の様に物差し的なイメージの数値とはちょっと毛色が違うような感じもしますが、長さの基本単位を元にイメージ化ができます。
確率と言えばまずはサイコロですが、6分の1という確率は最もなじみ深い確率かも知れません。
確率1/6の感触がわかれば、同じようにして1/10、1/100 と、イメージを広げていける様な気がします。
たぶん10、100という自然数がまだくっきりとイメージできる射程内にあるからではないかと思います。
では千分の1の確率で当たる抽選会、これはイメージできるでしょうか?
この辺りからかなりおぼつかなくなってくるのではないでしょうか。
ここで、自然数 1,000個 を 1,000mm すなわち 1m に置き替えてみます。
1m のラインの中の 1mm の幅、それが確率1/1000です。
抽選会ですので、直線ではなく丸いダーツ盤にしてみましょう。
円周1mの円の直径は31.8cm。
その円盤に幅1mmの三角形(極細のピザの切れ端のようなかたち的な物のイメージ的な物を想像されよ)が刻まれています。
あなたの投げた矢が見事その厳しいエリアに命中したとき、確率1/1000獲得です。

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メモ1)
身体感覚からのずれが少ない物としては、自転車というものも入れたい気がします。
何しろ自分の体で"こいで"推進するシステムである点が体感そのものですし、地面との速度感、移動の距離感をイメージするには自転車もすばらしい尺度になると思います。
そういった意味では車や列車はちょっと尺度として曖昧かもしれません。
時速60kmの車で何分という数値は出てきますが、この車での時速60キロという感覚が身体的な感覚には直結しないと感じるからです。
例えば、高速道路から一般道におりたときに起こる独特なスピード感覚のシフト感は、運転経験のある方なら思い当たるのではないでしょうか。
あの感覚が、自動車のスピードは身体感覚としては絶対的なスケールになりにくい事を物語っているのです。
それにそもそも単純な話として、60kmとは時速60kmの車で1時間の距離である、という記述はご覧の通り単なる数字の置き換え操作でしか無く、意味性に乏しいという理由もあります。
列車に関しては[あとがき]のところでちょっと個人的な経験を雑談しておりますが・・
一方、自転車ですが、自分でこぐから!という一点において自動車より格段に優れた尺度になります。
ただこちらは機材の性能やその人の体力技能なんかも影響が大きい事もあり、個人差が大きくなってしまうなという気もします。
また、歩行スピードと比べて大きな違い、数字の桁数が違ってくるようなスケール差はあまりないのも弱いところです。
ですので自転車は参考程度の使用となりそうです。
自転車スケールの数値ですが、だいたい私がママチャリをこぐスピードが15km/時ほどの様です。
ですが皆さんこれにとらわれず、自分で普段使っている自転車のスピードがどれくらいで、それを基準にしていろいろご自分で計算してみると良いかと思います。
楽しいですよ。わたしのママチャリだと、月まで25000時間、3年弱くらいです。
 
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