1秒/mm の最小目盛りでは、数千年単位の時間になってくると地球の大きさでは足りなくなってきてしまいました。
しかしこの後、もっと規模の大きな時間についてみていく事になるので、ここで針のスピードをギアチェンジし、1年/mm の単位を用いていく事にします。
まずは、ここまで取り上げた例に対し、この新しいギアを当てはめ直してみます。
1年間 = 1mm
100年間 = 10cm
西暦元年 = 2.011m
ずいぶん急激なシフトチェンジになりますが、1年 = 31km(1秒/1mm)としていた物を1mmに圧縮している訳で、まあ当然です。
でも10cmや2mというのは、距離的にはぐっと把握しやすくなりました。
今回の場合、直線形時計の針の進みは、1年ごとに1mmとなっています。
一転して気が遠くなるほどののろさ加減ですが、でも1年の長さの感覚はそれぞれみなさんそれなりに持っていると期待され、1年で1mm進む時計の針:年針?なるものも人はイメージできるのではないか、と期待して・・先へ進んでみます。
ところで、人にもよるかとは思いますが、歩幅一歩分の長さを切りのいいところで50cmとすると、
と表現する事ができます。距離が長くなってくると、このイメージが役立つかもしれません。
人類のご先祖様として、僕らの世代では”ルーシー”(アウストラロピテクス・アファレンシス)がアイドル的存在でしたが、近年は”アルディー”(アルディピテクス)という事の様ですね。
発掘された骨は4.4MYA:440万年前あたりであるようです。ということで、
4,400,000年 = 4.4km = 1.1時間
有名な、白亜紀ー古第三紀境界:K-Pg境界の恐竜絶滅(隕石落下)は6500万年前です。
(以前は白亜紀ー第三紀境界:K-T境界と言っていましたが、いつの間にか第三紀というのは使用されなくなっておりました!この事、恥ずかしながら私はほんとについ最近知りました(日経サイエンス2013年10月号でです・・))
65,000,000 = 65km = 16.25時間
地球誕生は46億年前と言う事ですね。(48億年というのも見かけますが。)
4,6000,000,000 = 4,600km = 1150時間 = 47日22時間
この宇宙の年齢は138.2億年と推測されています。
13 820 000 000 = 13 820km = 3 455時間 = 143日23時間
(13 000kmはだいたい地球の直径くらい)
宇宙の年齢はこの間まで137億年と言われ続けてましたが、つい最近138.2億年に修正されました(ESAの宇宙望遠鏡「プランク」の観測データより。2013.3.21)。
・・またいつか、この値も修正されるかもしれませんね・・
巨大な時間というものを考える場合、宇宙の年齢というものはとりあえず最大のもの、これで打ち止めだろうと思われます。
その巨大な相手が、こんな形でわりと親しみやすいサイズの記述に落とし込まれるとは、少々意外な感じでありました。
くどいかもしれませんが、ここまでやってきた方法の攻略ポイントは要するに以下の2点で、
この二つが同時にイメージされたもの、それが宇宙の年齢になります。
それぞれのイメージは、人間の脳の描像力の射程内になんとか入っていると期待され、あとは想像の力をふり絞ってつかみ取れ!という事であります。
わたしはと言えば、138億年のでかさがなにかツーンと脳にしみました。しみじみと・・